始めようネイチャービオトープ


サンショウモ 眺めているだけで心がなごむビオトープ。ほんの小さな水辺だけど、水草が育つ水域をメダカの群れが泳ぎ回る。いつか見た風景だと思いませんか。(サンショウモ、ホソバノウナギツカミ)
【ビオトープの楽しみ】
掲示板でもビオトープに関する話題をよく見かけますね。書き込みを拝見するに相当数の方が屋外育成を楽しんでいらっしゃるようです。かく言う自分も始めてみましたが、予想以上に楽しいものです。屋外だと何が楽しいのでしょうか?思いつくまま挙げてみると、こんなところですね。
☆水草の生育が素晴らしい。太陽光に優る光源なし。
草によっては水槽育成物と別な種類ではないかと思うほどの生育ぶりです。国産自生種のなかで水槽では難しい種類も綺麗に育ってくれたりします。
☆花が咲く。とてもうれしい。
種類によって綺麗な花が咲きます。個人的にはニムファ系の大輪も好きですが、サクラタデやミズネコノオなど可憐な花が好きです。園芸好きにはたまりません。家族の冷たい視線も少しなごみます。
☆水槽より立上げ維持が簡単!手抜き歓迎。
濾過バクテリア、フィルター、CO2など一切必要ないので立上げが楽。換水も基本は無し。水が減った時の足し水だけで維持出来ます。スネールやアオミドロが出るのも屋外は当たり前。ビオトープの一部です。気になれば取ればいいし。
それと、うまく表現出来ないのですが子供のころ駆け回った田舎の水辺の風景が身近にあるというノスタルジー、癒し、やすらぎ、って感じですかね。私の場合は田舎に住んでいますので庭にビオトープ設置しなくても一歩外に出れば同じような光景が。(汗)
都会のマンション暮らしの方などベランダに置いた水辺でなごむ、という楽しみもあると思います。特に蛍族のお父さん、ベランダで一服しながらビオトープ鑑賞はたまりませんよ。ねっ、seabass3。
トンボが産卵に来たり、いつのまにかタイコウチやミズカマキリが住み着いていたり(どうもメダカが少なくなったと思った)春に根や種子から新たに発芽する姿を見られたり、水槽とは違った楽しみがあります。水槽は横から見ることが多いのに対してビオトープは自然の池と同じ、上から見るので同じ水草でも違って見えます。
ところでビオトープ(Biotop)はBios(生き物)とTopos(場所)というギリシャ語を語源として作られた造語(ドイツ語)らしいですね。生き物の場所、まさにその通りです。うちでは猫が水飲みに来たり、ムクドリが水浴びに使っています。(水草千切れたりするので出来ればやめて欲しいものですな)

シロバナサクラタデ 家から15m地点のシロバナサクラタデ。生育状態良いです。イヌタデ属の誇り、黒いVサインもくっきりと。こんなの採って来て植えるより散歩中に見たほうが良いのでは?と思うこの頃(爆) (シロバナサクラタデ 水中化もします)
【設置方法】
設置の前に必要なものをご紹介しましょう。何は無くても入れ物!ある程度の水深、水量が確保出来れば何でもOK。100円ショップのプランターから衣装ケース、トロ箱、ADAの高級水鉢までご予算にあわせてお選びいただけます。本格的な方法では、庭に穴掘って防水シート、市販の池を埋める、コンクリート流して池を作る、などがあります。この場合は移動出来ませんので日照など事前に十分検討する必要があります。プランターの場合は水抜きの穴をプラ板とシリコン系接着剤で塞ぎます。意外と知られていないことですが、穴を塞がないと水が出て行ってしまいます。(爆)
プランター 100円ショップのプランターです。
ガガブタ、ミズキンバイ、ハッカ、ミソハギ、サクラタデ、シロバナサクラタデ、ミズネコノオ、 ミズユキノシタ、ヤナギモ、ササバモ、オオフサモなどが植えてあります。用土は赤玉土と荒木田土、総額数100円で立ち上げるビオトープ。これでも立派に使えます。
プランター 野菜用のプランターです
水深があります。ヒルムシロ科育成用として使っています。ヒルムシロ、ヤナギモ、ササバモ、インバモ、ガシャモク、リュウノヒゲモ、エビモ、オヒルムシロ、センニンモ、ホソバミズヒキモ、あと足りないのは本物のヒルぐらい??
プランター 睡蓮鉢。
いろいろな形がありますが、個人的な好みで水深のあるものを選びました。今回これを使ってビオトープを立ち上げてみます。
土 名コンビ「荒木田土」と「赤玉土」。
「水生植物の土」というものもありますね。肥料分が少し多いかも知れません。こだわらなくても庭土でも使い古しのソイルでもOK。なかには大磯でビオトープやっているツワモノも(汗)

次は用土です。用土は何でもOK。庭土でも園芸用でも、なかでも田んぼの土は最高。土を入れるだけで色々な水生植物が発芽したりします。(ラッキー)でも時にはくねくね動く恐ろしい生き物が孵化します。(アンラッキー&画像自粛)
 妥当なところでは園芸用「赤玉土(小粒)」「荒木田土」のミックスです。赤玉土は粒なので水通りがよい、リンの吸着効果があるというメリットがあります。でも粒なので落ち着きません。これを荒木田土で落ち着かせるイメージです。荒木田は粘土のようなイメージです。出来れば遅効性の化学肥料も仕込んでおきましょう。用土の厚さですが(底床の厚さ)10〜15cmもあれば十分です。水を入れて完成。簡単でしょ。
プランター 赤玉土:荒木田土=3:1程度を3cm、その上に園芸用化学肥料を適量、さらに同比率の赤玉土、荒木田土を10cm程度。全部アバウトでOKですが、荒木田土を多めにすると根元に酸素が行かなくなるかな?

【植物】
さて植物を植えましょう。「自然」を楽しむ、という意味で私は国産、百歩譲って帰化種を選んでいます。採ってくればタダ、という強みもあります。都会暮らしで入手難の方は親切で凄腕な育成家の方と仲良くなっておくという手があります。たろさん、HOUさん、s.a.m.さん、fumirisuさんなど。
リサイクル掲示板で交換もよろしいでしょう。珍しい水草が無くても「お子様心」をくすぐるトレード要員なら入れ食いです(汗)例えばルアーとかゲームソフトとか(にやり)それと田舎に住んでいてすぐいろいろ採れる利助というアホをおだてる、という手もあります。(意外と有効かも♪)
植栽の注意点ですが、浮葉、浮草を使う場合には沈水系が影にならないようにすること。サンショウモ、ウキクサなど1週間で平気で倍になりますし、ガガブタやミズハコベの浮葉の増殖も半端ではありません。ビオトープでも生存競争があります。
もう1点、水深のある鉢で小さな植物、キカシグサ、ミズマツバ、ホシクサなどを育成する場合は、屋外と言えども光量不足になりますので、小さな鉢に植えて鉢ごと沈める、などの工夫が必要です。(水深を浅くするため)
採集の際の注意点は私有地にみだりに立ち入らないこと、保護区域で採集しない、田畑を荒らさない、畦道を崩さない等です。常識の範囲ですが夢中になると守れない方も居るようなので注意しましょう。ゴミや吸殻の投棄は論外です。
水田等で採集する際には作業されている農家の方と出会うこともあると思います。最低でもご挨拶はしましょう。出来れば自分が何をしているのか説明したほうが良いと思います。見知らぬ他人が自分の田んぼで何かしている、相手の立場で考えてみれば何とも不気味です。 子供に網を持たせる、という必殺技もあります。説明不要です。微笑ましい水田の風物、親子でメダカ採り。私がよく使う手です。
一番誤解の無いのは「雑草の分布調査」ですかね。分布を調査して採集するので嘘ではないような。(弱気)
〜お薦め水辺植物〜
<抽水>
オモダカ、コナギ、サクラタデ、シロバナサクラタデ、マツバイ、ミソハギ、オオフサモ、キカシグサ、ハリイ、セリ、オランダガラシ、ミズネコノオ、ミズトラノオ、タコノアシ、ホシクサなど
<浮葉>
ガガブタ、アサザ、コウホネ、ミズハコベ、トチカガミなど
<浮草>
ウキクサ、アカウキクサ、サンショウモ、イチョウウキゴケなど
<沈水>
ヒルムシロ科全般、クロモ、ミズユキノシタ、コウガイモ、セキショウモ、タヌキモ、スブタ、オオトリゲモなど
<雑草系>
ハッカ、アゼトウガラシ、チョウジタデ、タネツケバナ、ミゾカクシなど
<お宝系>
ミズマツバ、スズメハコベ、ミズオオバコなど

レイアウトは簡単と言うか、そんなもん無いです。(汗)適当に植えておしまい。こだわる方は中央に抽水植物植えて周囲に浮葉があって、など芸術的センスを発揮されるようですが、個人的には好きなもの適当に植えておけばいいかな、と思っています。もともと趣味で好きな植物だけ育成するわけで、自然の風景切り取って云々、と考えること自体に無理がありますし、季節によって変遷があるので水槽のようにレイアウトを固定するというのは難しいですね。
とりあえず浮葉の綺麗なヒルムシロ、一番好きなセンニンモ、花が綺麗な日本のオランダプラントのミズネコノオを植えてみました。それぞれs.a.m.さん、HOUさん、たろさんから頂きました。こんな凄腕の方々に水草を頂いている私は幸せ者です。採ってきたリュウノヒゲモもアレンジしました。育ち具合を見ながらいろいろ追加してみたいですね。
ミズネコノオ 少し濁っていますがすぐに落ち着きます。ミズネコノオが水面突き抜けて開花する日が待ち遠しいですね。


【魚類】
 ビオトープは立派な「水域」です。ヤゴもわきますがボウフラもわきます。ヒドラはわきますがキングギドラはわかないようです。(謎)ボウフラがわいて蚊の供給源になると確実に市民権を失い、閉鎖に追い込まれます。
 こういう連中を喰ってしまうのはメダカです。水があれば越冬して爆殖したりします。入手難の方は餌用で売っているヒメダカでもOKです。ただしホームセンターで販売しているヒメダカは大量繁殖で近親交配も多いようで、背骨が曲がっている個体がいたりしますので、選べる店が良いですね。可哀想ですが奇形のメダカは寿命が長くないような気がします。
 他に実績のある生物をあげておきます。
<魚類>
 小ブナ、クチボソ、タナゴ、ドジョウ(用土にもぐるのであまり好ましくない)ヨシノボリやブルーギル、ブラックバスはフィッシュイーターなので他の魚を喰ってしまいます。エサは「メダカのエサ」を時々パラパラ。
<エビ類>
 ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビ、ミゾレヌマエビなど
スジエビ、テナガエビ、ザリガニなどハサミ系は避けたほうがよいです。結構いたずらします。ザリガニは水草全部喰っちゃいます。
<貝類>
 イシマキガイ、タニシ、カワニナ、ドブシジミ、サカマキガイ(勝手に住人に)、モノアラガイ(同じく)楽しそうに苔を食べています。タニシは水質浄化能力で注目株。
<番外、両生類>
 オタマジャクシ(小型種)
HOUさんに頂いた情報です。アオミドロを食べるそうです。浮葉の陸地?があればカエルになっても安心かな。両生類ついでに、イモリを飼っている方もいるそうです。
メダカ このコンテンツで立ち上げた鉢のために子供とメダカを採りに行きました。徒歩10分でメダカが採れる環境があります。子供と話をしながら田園地帯で水遊び。1円もかかりませんが、とても贅沢な休日でしょ。


【天敵】
 天敵は意外なことにアオミドロでもスネールでもなく、バッタ、アブラムシ、毛虫。それぞれお好みがあるようですが、旺盛な食欲を遺憾なく発揮して植物を喰いまくります。自然界でも同じように喰っていますが、ビオトープでは植物の個体数が少ないので結構目立ちます。
ミソハギなどは頭食われると脇芽をたくさん出して頑張りますが、オモダカなどは絶えてしまいます。それぞれ有効な農薬もありますが、魚類や生体への影響を考えると出来れば使いたくないところです。薄めた木酸液をスプレーすればある程度被害は防げるようですが、濃度を間違えると植物の成長に影響があります。野菜作りを趣味とする友人に聞いたところでは、木酸液にニンニク、タカノツメや焼酎などを混ぜた強烈なレシピの液体を噴霧すると何も近寄らないようです。私も近寄りたくありません。(爆)
自然の摂理を利用して庭にカマキリとテントウムシ殖やす、ってのはどうでしょ?しかしカマキリがテントウムシ喰って終わりの可能性もありますね(汗)
スネールも気になりだすと気になりますが、小さな皿にカマボコを入れて沈めておくと一網打尽に出来ます。どこかに卵は残っているので根絶は難しいですけどね。でもモノアラガイなど結構大きくなりますし実害も無いので、自然の一部と思い可愛がるのもよろしいかと。

小さなビオトープ おまけ。小さなビオトープ。ADAの直径10cmぐらいの鉢。さくっと田んぼからミゾハコベすくって入れました。スーパー上級者の前景草、チャレンジしますか?(笑)滅多に無い植物ですが1枚の水田にだけびっしり生えていました。不思議です。



seabass3